釧路の気候
釧路は太平洋側に位置しています。
北海道も本州などと同様に中央部に山脈(日高山脈など)があり、そのため冬場の気候は日本海側の曇天とは異なり晴天となります。釧路の冬場の晴天率(日照率)は日本でもトップクラス。
一方、夏場は湿潤で暖かな南東季節風が優位となり、釧路の沿岸部を流れる親潮(千島海流)により冷やされ釧路沖で霧となります。その霧が南東季節風により陸地まで移動してきます。この影響で北海道の太平洋側は霧が発生します。
陸地で発生する霧とは異なることから海霧(かいむ)と呼ばれます。また、沖合から陸地に移動してくることから移動霧(いどうきり)とも言われています。
内陸の盆地(例:雲海で知られるトマム)などで発生する霧(放射霧)は、日照がでてくることで解消されます。しかし海霧は内陸で発生する霧とは異なり、沖合から継続的に移動して大量に供給されることから日照によって解消されることはありません。
「霧の摩周湖」と言われていますが、この霧も太平洋沖で発生した霧が内陸80kmまで侵入し、摩周湖の外輪山を乗り越えて湖の低いところに流れ込んでいく現象によるものです。
摩周湖の霧も、海霧だと知っている人は少ないでしょう?!。
6〜8月中旬まで
釧路。霧の影響で沿岸部の気温も急激に低下することがあります。
最高気温の平均値は23度を少し超える程度。30度を超える日は数年に1度。
過ごしやすいのです。
しかし、霧がかかるとやはり少し寒い。1枚上に重ね着できるものを持ち歩くことがオススメです。
海霧は1日中継続することは少なく、1日の中でも何度か霧がかかってきたり、霧が海に後退したりを繰り返す現象が見られます。
空をみていると面白いですよ。
この時期は終日、晴天が継続し乾燥します。そのため、放射冷却現象が発生し、朝晩は寒さが強くなります。
放射冷却による寒さは、日本の太平洋側で晴天が継続するエリアではどこも同じです。晴れている証拠ですね。
例えば、南国四国の高知市。ここも冬場は晴天が継続することから、冬場の最低気温は氷点下になります。ご存知でしたか?
一方、晴天が継続することから、日中の最高気温は北海道内でも最も高くなります。
釧路の人は、「釧路はどこより寒い」というのですが、これは誤り。
正解は「朝晩は寒いが、日中は暖かい」という言い方です。
データーは感覚とは異なります・・・。
釧路倶楽部の前を流れる釧路川付近は「蓮の葉氷」も浮かびます。
きれいに輝く姿は美しいです。
【1~3月の主な都市の日照時間(2016年)※出所:気象庁】
釧路:664.0時間
帯広:658.1時間
札幌:351.6時間
函館:420.7時間
東京:523.5時間
静岡:604.0時間
大阪:538.7時間
岡山:493.7時間
高知:549.9時間
甲府:602.7時間
宮崎:547.2時間
日差しが降り注ぐため、真冬なのに雪がない日も多い釧路。
雪で覆われた日本海側のエリアの方々には想像もつかないことでしょう。
冬でも気持ちよく釣りだってできます。千代ノ浦には連日、釣り人の姿が見られます。
12~2月の寒い日。こんな日も釧路の市民は意外と軽装です。これは釧路は冬季間は日中、雲ひとつない快晴の日が続きます。
太陽が出るとポカポカして、外にいてもそれほど寒さを感じないものです。
釧路の住宅では、朝の8時(遅くとも9時)ころには暖房を消します。日差しが家の奥まで差し込み家の中を温めてくれるためです。だいたい、暖房なしで家の中の温度は25度くらいになります。ぽっかぽか。
暖房を消す時刻が少し遅くなると、家の中の室温は30度を超えることも・・・。
札幌などの日本海側のエリアでは、こんな快適な冬を知らないことでしょう。
北海道の太平洋側。釧路って過ごしやすいのですね~。
冬期の天気の変化も・・・
釧路倶楽部の前で遊ぶ子供たち。
雪は少ない釧路。昨年(2016冬)の冬は積雪が多かったですね。雪がこんなに降る年もあります。
気候変動の影響で、北海道の太平洋側は積雪が増える傾向にあります。
氷だけではなく、雪も楽しみのひとつになるかも知れませんねぇ~。
■釧路の太平洋沿岸地域の4~6月は、気温の上昇が鈍くなります。
1月から6月の最高気温の平年値をグラフにしてみました(データは気象庁)。
■釧路市の内陸部(中徹別)では、札幌市と遜色がない気温の上昇を示しています。
しかし、沿岸部は気温の上昇が鈍いのがわかります。 これは、親潮の影響を受けているためです。暖かな南風は釧路の沿岸部では気温を低下させる要因。海上で霧が発生し陸地に流入してくるためです。
■「釧路の春はなかなか来ない」と言われるのはこのため。